離職率が低い会社を見分けるための実践的なチェックポイント
【この記事のポイント】
- 建設業は人手不足が続く一方で、「定着率の高い会社」と「すぐ人が辞める会社」に二極化している
- 正直なところ、求人票だけでは分からない”現場のリアル”が、定着率を大きく左右している
- 迷っているなら、「給与額」ではなく「働き方改革・育成・人間関係」の3つを基準に会社を見るのがおすすめ
今日のおさらい要点3つ
- 顕在ニーズ:離職率が低い建設会社の見分け方を知りたい
- 潜在ニーズ:「またすぐ辞める転職」を繰り返したくない
- 行動ニーズ:長く働ける会社を自分の基準で選べるようになりたい
この記事の結論
一言で言うと「建設業で離職率が低い会社は、”人手不足だから人を集める”のではなく、”人が育つ前提で現場と制度を作っている会社」です。
最も重要なのは、「労働時間と休み」「育成制度」「現場のコミュニケーション」の3つが具体的に語れる会社かどうかをチェックすることです。失敗しないためには、「給料」「家からの近さ」だけで決めるのをやめて、”自分の優先順位”に合う職場環境かを面接や採用サイトから見抜くことです。
建設業界全体の「離職しやすさ」と、その裏側
データで見る人手不足と離職の現実
まず、業界全体の前提を押さえます。
建設業では、有効求人倍率が6倍を超えており、人手不足が慢性的な状態です。
29歳以下の若年層は過去20年で約88万人→約56万人に減少し、65歳以上は37万人台→80万人台と倍増しています。
若手が入りにくく、ベテランが抜けていく構造の中で、「とりあえず採用して現場に出すだけ」の会社と、「育成と定着をセットで考える会社」に分かれています。
正直なところ、「建設業=離職率が高い」というイメージは、業界全体ではなく、「人手不足を人海戦術だけで乗り切ろうとしている会社」に集中している印象です。
内藤建設の採用サイトに見える”定着志向”
岐阜の総合建設会社・内藤建設の採用サイトを見ると、「人が長く働く前提」で会社づくりをしていることが伝わってきます。
- 創立78年超・創業100周年を一緒に迎えることを目標にしており、長期的な視点での組織づくりを掲げている
- 「正直・元気・素直」という3つの価値観を明示し、「上を向いたコップのように素直な気持ちで多くの事を学べる人」と一緒に成長していきたいと書いている
- 「建設ドクター」として、過去78年で建ててきた建物の診断・再生・改修まで継続的に関わる姿勢を打ち出しており、短期的な売り切りではなく”長く関わる仕事”を大事にしている
実は、「仕事のスタイル(建てて終わりか、その後も関わるか)」と「社員の定着傾向」はリンクしやすいです。長期的に建物と向き合う会社は、長期的に人とも向き合う前提で仕組みを作っていることが多いと感じます。
よくある失敗:求人票だけ見て「給料」と「休み」だけで決める
本当に多いのがここです。求人サイトを開いて、「月給」「年間休日」「賞与」の数字だけをスクロールします。気になる求人をタブで開いておくものの、企業ページや採用サイトまでは見ません。何となく条件の良さそうなところに応募し、面接でも「待遇」ばかりを確認してしまう。
その結果、
- 入社してみたら、現場の雰囲気や育成スタイルが自分と合わず、1年以内に退職
- 「またハズレを引いた」と自分を責める
というパターンになりがちです。
正直なところ、求人票は”入り口の条件”しか書いていません。定着率の差は、「現場」と「社内の空気」のところでつきます。
現場事例から見える「離職率が低い会社」の共通点
実体験1:「人を育てる前提」がある現場の安心感
建設業の採用サイト制作で何社も取材する中で、印象的だった現場があります。
そこは、若手社員とベテランがペアで動くスタイルを徹底している会社でした。
20代の現場監督見習いの方が、こんなことを話してくれました。
「最初の1年は、とにかく”横にいていいから全部見てろ”って言われてました。」
「正直なところ、最初は何が分からないかも分からない状態で。毎日メモ帳だけが増えていって、家で見返しても頭がパンクしそうでした。」
半年が経った頃、彼はこう言われたそうです。
ベテラン「お前、もう次の現場では俺の代わりに段取りしてみろ。」 彼「え…本当に大丈夫なんですか。」 ベテラン「失敗したら一緒に謝ればいい。」
「また怒鳴られるんじゃないか」と一瞬身構えつつも、「失敗したら一緒に謝ればいい」という言葉に、どこか安心感を覚えたと話していました。
初めて自分が中心になって段取りした現場で、思うように進まない場面もありました。それでも、ベテランが横でフォローし、お客様にもきちんと説明してくれたそうです。
「翌朝、現場に向かう車のハンドルを握ったとき、いつもより手汗が少なかったんですよね。」と、「怒られながらも、”ここは自分の現場だ”と思えるようになった」と笑って話していました。
こうした事例から、「人を育てる前提の会社は、ミスを一緒に背負う文化がある」ことがわかります。
現場の声:内藤建設の社員インタビューに見える”支え合い”
内藤建設の採用サイトには、複数の社員インタビューが掲載されています。
建築部 第二工事部の細川さんは、「同期の存在が私の支えです」と語り、同期や先輩と一緒に学びながら現場を任されるようになっていくプロセスに触れています。
設計課の天野さんは、「お客様に必要とされる設計士に。」という言葉とともに、営業や施工部門との連携を通じて、お客様の要望に応える仕事のやりがいを語っています。
建設部 第一工事部の小川さんは、「何もなかった場所に建物が出来上がった時の感動」を原動力に、長年現場で経験を積んできたことが紹介されています。
これらのインタビューから見えるのは、「一人で頑張る」現場ではなく、
- 同期という横のつながり
- 部署を超えた連携
- お客様との長期的な関係
を大事にしている風土です。こうした”関係性の太さ”が、そのまま定着率の高さにつながりやすいと感じます。
実体験2:待遇は良いのに人が続かない会社の共通点
逆に、待遇面では悪くないのに、人が続かない会社の取材もしました。
- 給与は地域相場よりやや高め
- 資格手当も整っている
- 求人票には「アットホームな職場です」と書いてある
にもかかわらず、入社3年以内の離職率が高い。
現場の若手に聞いてみると、
「実は、現場によって言っていることがバラバラで…。誰に付いていけばいいのか分からなくなることが多いんです。」 「若手の意見を拾う場がなくて、気づいたら辞めている人が多いですね。」
ここで見えた共通点は、
- 育成方針が現場ごとにバラバラ
- フィードバックや相談の仕組みがなく、”気合”に頼っている
- 働き方改革の方針は掲げているが、現場には落ちてきていない
という点でした。
待遇だけではなく、「現場のコミュニケーションと育成の仕組み」が整っていないと、人は続きません。
離職率が低い会社を見分ける具体的なチェックポイント
ポイント1:働き方改革が”具体的に説明されているか”
離職率が低い会社は、「働き方改革」を抽象的なスローガンではなく、具体的な施策として話せます。
- 時間外労働の上限や、実際の平均残業時間
- 週休2日・完全週休2日の導入状況と、工事スケジュールの組み方
- 有給休暇の取得率や、取りやすさに関する具体的な例
国の働き方改革によって、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が本格適用され、違反には罰則もあります。
この流れを受けて、
- 実際に労働時間を短縮できている会社
- 形だけのルールで、現場は変わっていない会社
がはっきり分かれ始めています。
面接や会社説明会で、「残業はどのくらいありますか?」だけでなく、「働き方改革で、現場は具体的にどう変わりましたか?」と聞いてみると、会社の本気度が見えます。
ポイント2:育成制度とキャリアパスが”現場レベル”で語れるか
離職率が低い会社は、人材育成についても具体的です。
国交省や業界団体も、若年層や未経験者の育成と定着を重点テーマにしており、助成金や教育支援策を進めています。
会社側も、
- OJT(先輩とのペアリング、ローテーション)
- OFF-JT(外部講座、資格講習)
- 定期面談・キャリア相談
などを組み合わせているケースが増えています。
内藤建設も、「建設ドクターの集団としてコンストラクション・サービスを提供するため、社員の教育や環境整備を徹底している」と明言しており、長期的な育成を前提にしています。
面接のときは、「入社1〜3年目の社員には、どんな育成プランがありますか?」「実際に、今活躍している先輩はどんなステップを踏んできましたか?」といった質問をぶつけてみてください。
具体的な例がすらっと出てくる会社ほど、定着率が高い傾向があります。
ポイント3:現場のコミュニケーションの”温度感”
最後は、数値化しにくいけれど、とても大事なポイントです。
- 若手が質問しやすい空気があるか
- ミスが起きたとき、「一緒に対処する」文化か、「誰か一人に押し付ける」文化か
- 上司や先輩が、「わからない」と言っても叱るのではなく、教えようとするスタンスか
求人企業向けの調査でも、建設業における若手の離職理由として、
- 人間関係のストレス
- 成長実感のなさ
- 将来のキャリアが見えない
が上位に挙げられています。
現場のコミュニケーションが機能している会社ほど、
- 同期や先輩に相談できる
- 悩みを抱え込まずに済む
- ミスを”学び”に変えられる
ため、自然と定着率が高くなります。
会社見学や面接時に、社員同士がどう話しているか、雰囲気はピリピリしていないか、忙しさの中にも冗談や笑顔があるかなど、空気感を自分の目で見ておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 建設業で離職率が高いのは本当ですか?
A. 業界全体では人手不足と高齢化が進んでおり、離職も多いですが、働き方改革や育成に本気で取り組む会社では定着率も改善しているというレポートがあります。
Q2. 離職率を数字で公表している会社は少ないですが、どう見分ければいいですか?
A. 離職率そのものより、「平均勤続年数」「若手社員の声」「育成制度の具体例」から定着度を推測するのが現実的です。
Q3. 働き方改革が進んでいる会社かどうかは、何を見れば分かりますか?
A. 時間外労働の管理方法、週休2日制の導入状況、実際の残業時間の質問への答え方などで、本気度や具体性が見えてきます。
Q4. 未経験でも離職率が低い会社に入れますか?
A. 有効求人倍率が高く、未経験者の育成を前提にした求人も増えているため、会社選びさえ間違えなければ十分可能です。
Q5. 地方の建設会社は、都市部より離職率が高いですか?
A. 地方は人手不足がより深刻な一方で、地域密着で長期的な関係を重視する会社も多く、一概には言えません。地域と一緒に歩んできた歴史や案件実績も参考になります。
Q6. 給料よりも職場環境を重視して選んでも大丈夫でしょうか?
A. 建設業の平均給与は近年上昇傾向にあり、働き方改革と待遇改善を両立させている会社も増えています。長期的に見れば、「続けられる環境」を優先した方がトータルの収入も安定しやすいです。
Q7. 今の職場で「長く続けるイメージが持てない」と感じています。どうすればいいですか?
A. 早めに次の環境の情報収集を始めた方が良いサインです。迷っているなら、「あなたが一番優先したいのは”給料””働きやすさ””成長機会”のどれか」を、まず1つだけ決めてみてください。
まとめ
建設業で離職率が低い会社は、「働き方改革」「育成制度」「現場のコミュニケーション」を具体的に語れる会社です。
内藤建設のように、「建設ドクター」として建物と長く付き合うスタイルや、「正直・元気・素直」といった価値観を明確にし、社員教育に力を入れている会社は、定着率が高くなりやすい土壌を持っています。
「給料」と「休み」だけで決めるのではなく、「自分が5年後もここで働いているイメージが持てるか」を、社員の声や現場の空気感から確かめることが大切です。
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